プッシュとプル

インターネットには、「プッシュ (押す)」 と 「プル (引っぱる)」 という考え方がある。「プッシュ」 とは、特に何もしなくても情報が自分のところに勝手に (能動的に) 届いてくるようなイメージである。メールはプッシュのメディアと考えてよい (※) 。あなたが意図しなくてもメールを送る相手があなたのメールアドレスを知っていれば、メールを送って欲しくない相手からでもメールが自分のメールボックスに届くことになる。この仕組みが「プッシュ」である。

一方、「プル」 の方は、適宜自分の方から情報を取りに行くというイメージ。ウェブがその代表格で、プルに相当する。なぜなら、ウェブにアクセスするためには何らかの形であなたがアクセス先のホームページのアドレス (URL という) を (検索サイトなどで) 知り得てから、ブラウザを使ってホームページを 「見に行く」 からである。プルは、PC の前で待っているだけでは情報はやって来ない。自分で情報を取りに行くのである。

(パーミッションマーケティングに続く)

(※) 実は、厳密に言うと、メールというシステムでは、*電子メールを送るときはプッシュ*であっても、*読むとき (メールを受信するとき) はプル*である。これを説明し出すとややこしくなるが、メールが届いたかどうか知ることができるのは、メールソフトが毎回決まった間隔でメールが来ているかどうかメールサーバに問い合わせているからである。たとえばサーバに問い合わせる間隔を 1 分にすると、事実上ほぼリアルタイムでメールの到着確認をしていることになるので、送受信含めてメールをプッシュといっても良い。

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税金の無駄遣いを止めさせるには (1999/04/24 投稿)

  1999/04/24 放送の 「朝まで生テレビ」 『激論! 地方が都会をクイつぶす?!』で、ウェブサイト (https://www.tv-asahi.co.jp/asanama/: 投稿内容自体はすでにリンク切れ) に投稿した内容。

Q. 税金の無駄遣いを止めさせるにはどうしたらよいと思いますか?

  なぜ無駄遣いが起こるか、考えてみるといい。このキーワードは国会議員・選挙だ。国会議員は選挙のために、地元 (地方) のために尽くすのだから、ある意味これは仕方のないこと。しかしながらこの構造を崩すことを考えないと、無駄遣いは止めさせられない。それには、税金の配分に関してのチェックを独立した民間の第三者機関に依頼すべきだ。

  予算を組む=税金の配分を、その後、客観評価 (正当性、乗数効果) を徹底的に行い、インターネットで公開する。

  また、サラリーマンの源泉徴収という制度が、税金を勝手に配分しても良いと暗に認める (いや、サラリーマンは決して無駄遣いを認めているわけではないと思うが) システムを作り上げている。なぜなら、サラリーマンの税に対する意識を低めるからである。うちの妻 (つまり主婦) は、所得税を払っていないが、よっぽど税に関して意識があるのではないかとさえ思うときもある。なぜなら、 (専業) 主婦にとって、唯一目に見える税金徴収システム (税金徴収の仕組み) は、消費税だからである (毎日買い物しているのだから、これは身近な存在だろう)。

  よって、これだけインターネットが普及してきたのだから、サラリーマンも年度末にインターネットで確定申告をできるようにしてはどうだろう? (現行でも、やろうと思えばサラリーマンでも確定申告できるが、源泉徴収ならばその計算などの手間やコストは企業が負担してくれるから、ほとんどは申告を選ばないだろう)

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金融破綻続発 (1997/11 投稿)

1997/11/28 放送の朝まで生テレビ!『激論!金融破綻続発!ド~なる?!日本』で、ウェブサイトに投稿した内容。

公的資金の導入について『反対』の方の意見

なぜ預金者が保護されなければならないのか、理解できない。倒産するような金融機関を信じて、たいしたチェックもせずお金を預けつづけていた、世の中の勉強を怠った預金者が悪いのであって、公的資金導入=われわれの税金投入を、彼らにすべきではない。私は山一のインデックス、中国ファンドを今年 (注: 1997 年、山一が破綻する前です) に入ってすべて解約した。そういう人もいるのである。

4 年前、金融ビッグバンという言葉はなかったが、金融自由化という流れは決まっていた。「消費者が金融機関を選ぶ時代がやってくる」 と、私は 4 年前から考えていた。

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iモード革命 (3)

今回は、iモードの将来について考えてみたい。

  • iモードの将来

    すでにドコモは、香港の最大のケータイ会社であるハチソン・テレフォンカンパニー社 (Hutchison Telephone Company Limited)に、iモードのコンテンツが提供できるように技術支援を行っている。これによって HTCL は、2000/5 月下旬から、iモードコンテンツサービスを開始するようだ。他にもドコモはオランダのケータイ会社に5,000 億円を投じて資本参加をするようだ (NTT 法により、株式交換にすると外国人の持ち株比率が上がってしまうので、できないそうだ)。

    今後、日本が世界に先駆けて開発した技術が、世界に輸出されていく。しかも、ケータイのような小さなデバイスを作るのは日本のお家芸である。海外に行ってケータイを見てみればわかるが (特にアメリカ)、とにかくゴツい。確かに、ヤツらは手が大きいから、日本で売っているようなケータイを操作するのはちょっと不便かもしれないが、それにしてもデカイ。ケータイに使われる液晶、IC やコンデンサなどは日本のメーカーにしか作れないものもある。iモードは、病んだ日本の経済を復興させる契機となる可能性がある。

  • Javaとの出会い

    今年の終わりくらいから発売される iモードのケータイで Java のプログラム (アプレットという) が動くようになる。私は 1996 年からひたすら米国サン・マイクロシステムズが開発したJava を追いかけてきたが、その最も注目して来た技術である Java がなんと iモードのケータイに載るのである。iモードに Java が載ると考えただけでワクワクする (アクセスという会社をご存知だろうか? iモードに載る Java とブラウザはこの会社のものである)。 大前研一氏が 「もう頭がパンクしそうだ。iモードのサービスがどんどんひらめいてくるから」と雑誌 SAPIO に論文を書いていたが、私も、Java が載ると考えると、ケータイであれもできる、これもできるとアイディアは無限に広がる。

    昨年度インドの会社と一緒にシステム構築してきたのだが、ここでの開発の技術基盤は Java であり、インド人 IT 技術者が最も得意とするところは Java であるから、日本の iモードとインド人の組み合わせは世界最強のように思う。

    このように、iモードは Java を巻込みながら発展し、実は Java から見ても、PC 以外の小さな単体のデバイスに載るのは iモードが世界初の試みなのである (そのため、Java の関係者からは成功するかどうか非常に注目されている)。

    実際に、Java が iモードに載れば、インスタントメッセージシステムのようなものは簡単に実現できるし、株価のリアルタイム表示 (あらかじめ設定した値動きがあったときに自動的に教えてくれる)、リアルタイムオークション、オンラインショッピングにおけるセキュリティの向上など、おおよそPCでできているものは実現できるだろう。

  • ケータイでテレビ電話

    W-CDMA というのがキーワードとなるのだが、デジカメもケータイに取り込まれていくだろうし、音声入力は当然、そのうちケータイも PC と同じくらいのスペックを持つようになるに違いない。

  • さらなる将来

    私が今の会社に入社したとき、7 年後の自分がインド人と一緒に働いている姿は全く想像できなかった。だから、これから 5 年後のことは想像よりももっと大きく発展しているかもしれないし、そうでないかもしれない。

    航空券のチケットはケータイになり、ゲートを通過するときはケータイを見せるだけ。ケータイが財布になり、主婦は、レジでなにやらケータイをバーコードにかざしているかもしれない (ケータイにクーポンが表示されているのである、ケータイにはバーコードが表示される)。もはや、銀行の ATM はケータイの中にあり、資金移動は ATM の前で操作するのでなく、ケータイを操作する。人間は、その場所にいかなくても、判断するだけでいいのである。音楽もケータイにダウンロードするようになる。

私は 4 年前 (1996 年)、自社内で 「情報が、人についてくる」 というコンセプトを提案したことがある。4 年前は、「そうなったらいいな」 というだけで、どのように実現してよいのかわからなかったが、思わぬところにこの糸口を見つけることができるのかもしれない。

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iモード革命 (2)

iモードの契約が勢いよく伸びたのは、それが世界で初めてのケータイそのものによるインターネット接続だったのは間違いない。ドコモはこれで、日本最大のインターネット接続業者=プロバイダとなった。以下は、利用者だけでなく、あまり指摘されてない、開発者側からの観点も含めた、iモードの特長である。

  • iモードの特長
    「ケータイでメールやホームページが見られる」

    メールを送るサービスはケータイでも珍しくなかったが、ホームページを見る、とまでなると PC で…というのが今までは一般的だった。ホームページを作成するためには、HTML という 「言語」 でコンテンツ (ホームページの内容) を記述していく必要があるが、NTTドコモはホームページをケータイから見られるようにするために、コンパクト HTML (CHTML) というものを 「独自」 に開発した。この独自というのは、今の時代は特に、失敗のリスクも大きいものだが、これをあえて推し進めたところに NTTドコモの素晴らしさがある。実は、CHTML でなくても、WAP (ワップ: Wireless Application Protocol) という、モバイル通信における世界標準を定める動きがあったのだが、これを NTTドコモは採用しなかった (WAP は日本では、IDO やツーカーの EZ アクセス、EZ ウェブというサービスで使われている) 。

    ドコモが開発した CHTML とは仕様を見ればわかるように、実は何ら HTML と違いがない。しかし、HTML よりも命令の数は減らされている。すなわち、CHTMLとは、HTML のサブセットなのである。よって、CHTML で記述されたウェブのコンテンツは、通常の PC からも見ることができるのである (ただし、iモードで見られるコンテンツは、iモードのケータイのあの狭い画面に収まるように作られているので、PC で見るとものすごくそっけないものとなる) 。CHTML が HTML のサブセットであることの利点は、なんと言っても、今までホームページを作ったことのある人なら誰でも、iモードのコンテンツを作れるということに尽きる。このため、当初のサービスでは公式サイトは 200 程度だったと思うが、ドコモの予想を上回るペースで個人 (や企業) が作ったオリジナルのコンテンツが増えていった。

  • ケータイというデバイス

    PC を使ってメールを読むとしよう。電源を入れてから、ウィンドウズ (または Mac) が起動し、インターネットに接続し、メールソフトでメールを取り込むまで、一体何分かかるだろうか。私の今使っているノート PC は 3 年前のものなので、少なくとも 5 分以上はかかるだろう。これに比べケータイは、

    「常に電源が入っている数少ないハイテク機器」

    である。常に電源が入っているということは、 5分待たなくて言いということ、すなわちケータイはいつでもインターネット・レディの状態なのだ。これは、リアルタイムでメールの送受信ができるということでもある。

    iモードのメールは、ケータイが一定時間ごとにセンタに自動接続してメールの有無をチェックするのではなく、誰かがメールを送ってくれば、そのままケータイに配送される。このとき、ケータイの電源が入っていなければ、センタにメールは保存される仕組みになっている。

    一方、ウェブサイトに接続するのは、ケータイについている 「iモードボタン」 を押すだけである。どのメーカーの iモードケータイを買っても、このiモードボタンが付いてるのはニクイ。機種によって、統一感を出しているのである。ケータイを実際には利用者は、このボタンを押すことによって、インターネットに接続していることすら意識していないだろう。

    ケータイは、PC に比べ、とてつもなく画面が小さい。一般的な iモードのケータイは横に全角 8 文字、縦に 6 文字程度しか表示することができない。それでは、PC でホームページを見たほうが美しいし、表現が豊かでないか、という意見もあるかもしれない。しかし、よく考えてみて欲しい。画像や写真を多用し、グラフィック豊かなウェブサイトは確かに美しいが、中にはコテコテに飾られたものもある。そして、ホームページが表示されるのにさんざん待たされた挙句、内容はたいしたことなかった、というのも少なくない。こう考えると、画面が狭いことがすなわち不便かというと、実はそうではない。むしろホームページを作る側が、画面の狭さを意識してコンテンツを作るし、ここではグラフィックでの腕は競えないので、iモード用のコンテンツを作るにあたっては純粋に内容の勝負、アイディアの勝負となるのだ。iモードの世界は、 「内容が面白ければ、コテコテのグラフィックなどは実は最初から必要ない」 ということを再認識させてくれるのである。

  • ブラウザとメールの連携

    ブラウザとメールの連携も素晴らしい。PCでも、ホームページの中にあるメールアドレスをクリックするとメールソフトが立ち上がる。そこでメールを送れるのであるが、このとき、ウィンドウはブラウザとメールで2つ開くことになる。iモードの場合も同じようにホームページにリンクされたメールアドレスに向けてメールを送ることができるが、画面が小さいため、メールアドレスをクリックするとその場でメールが書けるようになっている。メールを送ると、もとのホームページの画面に戻る。この遷移は至ってシンプルであり、自分がウェブにつないでいるのかメールを送っているのか意識しないのである。この 「意識しないで」 というのは重要だと思う。シームレス (つなぎ目なく) に、ウェブとメールのサービスがつながっているのである。

  • ウェブページと電話機能の連携

    ウェブサイトのリンクは、

    <a href="...">

        …

    </a>

    タグで記述するが、

    <a href="tel:09071930787">

        山田さんのケータイ

    </a>

    とホームページに書いておけば、 「山田さんのケータイ」 をクリックする (ケータイのボタンを押す) だけで、なんとケータイから電話がかけられるのである (自動的にダイアルしてくれる) 。電話をし終わった後は、すぐさままた、元の今見ていたホームページに戻るのである。これはすごい。ホームページを作る側は、単に "tel:電話番号" と書くだけでよいのだから…

  • 上下左右───アクセスキーと入力文字種

    PCの場合はたいていの場合マウスを動かしたり、マウスのボタンをクリックするという一連の動作でホームページを見ていくが、iモードの場合は、上下左右のボタンもしくはトラックポイント (小さなジョイスティックのようなもの) でホームページを見る。ある意味、テレビのリモコンを操作しているような感覚である。ケータイの場合は、電話番号を入力する0~9の数字がついている。ここでも、CHTMLの工夫があって、この0~9の数字を押すことによって、リンクをたどることもできるようになっている。この場合は、ホームページを作る側が、

    <a href="..." accesskey=1>

        1. 次のページ
    </a>

    と書けばよい。ここでのポイントは、<a href...> のところに、accesskey=1 と記述することである。これだけで、1. ボタンを押したときに、次のページにジャンプするようになる。なんと、リモコンよろしく、本当にケータイの数字ボタンでホームページを見ていくことができるのだ。この機能をアクセスキーという。

    ウェブのフォーム (名前や住所を入れるようなページ) で、その時々に入力する文字のモード切り替えを自動的に行う機能が備わっている。これも、ホームページを作る側が、

    メール: <input type=text name=email istyle=3>

    と書けば、利用者がメールアドレスを入力するときは、自動的に文字の入力モードが半角英数字となるのである。istyle=3 というのは、ここの入力は半角英数字で、とケータイに指示を与えるものである。ちなみに

    istyle=1: 全角モード

    istyle=2: 半角カナモード

    istyle=3: 半角英数字

    istyle=4: 半角数字

    となっている。ケータイは基本的に電話をかけるための 0~9、# や * を含む必要最低限のボタンしかない。文字を入力するとき、これらのキーを駆使して入力文字モードを変えながら、四苦八苦することになるが、この文字入力モードを自動的に変える機能が備わるだけでもだいぶ手間は省けるものだ。間違いも少なくなる (将来は音声による入力になるのだろう)。

(続きは、こちら)

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